膀胱炎の意外な盲点

先週、膀胱炎のの時に服用する漢方薬で「猪苓湯」(ちょうれいとう)をご紹介しました。

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膀胱炎の原因は、尿道から細菌が侵入して炎症を起こす症例が多く、女性が約75%を占めると言われています。
膀胱炎の原因となる最近のほとんどは大腸菌と考えられていて、女性の体は構造上、肛門と尿道が近い上に、尿道が短いので男性より感染しやすいと考えられています。
最近では、洗浄便座(いわゆるウォシュレット)の普及に伴い、この膀胱炎が増えてきているというような指摘もあるようです。
通常の洗浄便座は、排便後に後ろから前へ洗浄するタイプが多く、大腸菌が尿道に侵入しやすくなってしまう事が原因と考えられています。
膀胱炎にならない為に、こんな事に注意しましよう!

①水分を小まめに取り、尿意を感じた時には我慢しないでトイレに行きましょう。
 排尿する事によって膀胱内の細菌を洗い流す事になります。
②疲労や冷えは症状を悪化させる事があるので、入浴などで疲れを取り、体を冷やさないようにしましょう。
③アルコール飲料や香辛料などの刺激物は、炎症を助長する事があります。取り過ぎには注意しましょう。

それでも様子がおかしいな?と思ったら早めに受診してください。
(K)

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お風呂の効果

今週は、福島県のいわきにある店舗に行きました。
一泊出来たので、久しぶりに温泉に入りました。気持ち良いですよね~(^^)
温泉には、その泉質によってもいろいろな効果がありますが、その「入浴」自体にはどんな効果があるのでしょう?

①温熱効果
あたたかい温泉(入浴)で血行がよくなることにより多くの効能が得られます。
体が温まることにより血管(特に抹消血管)が広がり新陳代謝が高まり、体内の不要物の排泄を促します。
熱い温泉(42℃以上)は、緊張、興奮の自律神経「交感神経」が優位に立ち、しっかりと目が覚めた状態となり、ぬるめの泉温(37  ~40℃)の温泉は、気持ちを鎮める働きをするリラックスの自律神経「副交感神経」が優位に立ち、落ち着いた気分になると言われています。
ちなみに、日本人がもっとも気持ちの良いと感じる泉温は「42℃」だそうです。

②水圧効果
体表面にかかる静水圧により全身に圧力がかかり、内臓が刺激され、内臓運動となります。つまり、天然マッサージの状態ですね。
特に半身浴や足浴では、下肢の静脈の流れが良くなり、血液やリンパ液の循環も良くなります。
脚には全血液量の約三分の一が集まり、この血液が心臓に送り返されるため「脚は第二の心臓」と言われることがあります。
入浴すると、水圧で血管が細くなり、血液が心臓に向かって押し上げられる効果が見られます(ポンプアップ効果)。
お湯に肩までつかった時、体の表面積全体では、なんと500キログラムから1トンもの水圧がかかる計算になるようです。
全身浴の場合には心臓にも負担がかかる事がありますので、長く浸かる場合には半身浴が良いかもしれませんね。

③浮力効果
温泉に首まで浸かると、体重は約十分の一になり、体を自由に動かせるようになります。
体が軽くなった感覚により筋肉が緩み、脳波が「α波」のリラックスした状態になりやすいようです。
お湯の中で体の各部分を早く動かすと、水の抵抗力が加わり筋力の強化になります。これを利用して筋力の弱った人や運動機能の低下した人のリハビリテーションにも利用されます。

最近では、「妊娠中は温泉を避ける」という、これまで何の疑問も持たなかった入浴上の注意に、医学的根拠がなかったことがわかり、環境省が32年ぶりに基準を見直して、今年の夏くらいまでにはこの項目が削除されるようです。
温泉にはなかなか行けない事も多いですが、普段の入浴でも①~③の効果はあると思いますので、上手におふろの時間を過ごしたいですね。
(K)

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なんだこれ?すごいコンタクトレンズだ!

スマートコンタクトって知っていましたか?

コンタクトレンズなんですが、涙に含まれるグルコースを測定(記事には監視とある)することで、血液検査より簡易に血糖測定ができるようです。
しかも、今後はLEDを内蔵して血糖レベルの急激な変動を警告する機能を持たせる事を検討中とか・・・

http://japanese.engadget.com/2014/01/16/google-led/

まだまだ開発段階との事ですが、既に試作品もあるみたいですね。
普段使い捨てのコンタクトを利用している私のような場合は、間違えてポイッとしないようにしないと・・・しないですかね(^_^;)
もう30年来のコンタクトユーザーですが、とても考えられないような技術だと思います。しかもその開発元があの「Google」と聞いてまたビックリです(^_^;)
(K)

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カイコでワクチン?

カイコを利用してインフルエンザワクチンを作る技術が、沖縄の生物資源研究所と言うところで開発されたみたいです。
インフルエンザワクチンの主成分は、ウイルスの表面にある特有のたんぱく質です。
ウイルスの遺伝情報を基にこのたんぱく質を作るDNAを合成して、カイコの遺伝情報に組み込んだそうです。
このカイコをさなぎに成長させてすりつぶして精製するようです。

従来のインフルエンザワクチンは、鶏卵の中でウイルスを増殖させます。
その為、ワクチン作成に適した鶏卵を大量に用意する必要があります。
また、急遽新型ワクチンへに対応しようとしても、半年以上の期間が必要になります。
それに対し、このカイコを利用した方法だと、約3ヶ月で対応が出来てしかも安価で大量にワクチンが作れるそうです。

ヒトでの安全性や有効性はこれからの確認になるので、実用化にはまだ数年必要になるようです。
インフルエンザワクチンも変異をして次々と新型が出てきます。ワクチンもそれに対応して開発はされるのですが、いつの日かウイルスを根本から治療できるようなお薬が開発できると良いですね。
(K)

104

今春には間に合わなかったか・・・

1月20日のフェイスブックで取り上げた、新しい花粉症の治療薬は、1日も早い発売を期待しておりましたが、このお薬の発売は6月以降になるようです。

厚生労働省は、口に薬液を含む新しいタイプのスギ花粉症治療薬を初めて承認しました。
このお薬は、アレルギーのもとになる花粉エキスを舌の下に垂らし、徐々に体を慣れさせる仕組み(減感作療法)です。既存の注射薬に比べて、痛みも無く自宅で服用できるので、患者さんの身体的負担が少ないのが最大のメリットです。
対象は12歳以上で、服用方法は、1日1回お薬を舌下(舌の下)に垂らし、2分間保持した後に飲み込ます。
お薬の名前は「シダトレン スギ花粉舌下液」(鳥居薬品)です。まだ価格は4月以降に決定するようです。

スギ花粉が対象となると、実際には来年以降のシーズンでの期待になりますかね(T_T)
(K)

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日々勉強・・・

先日、薬局で「高齢者の漢方薬」と言うタイトルで勉強会を開催しました。
ツムラさんにご協力いただいたのですが、なんとその勉強会に生薬のサンプルを沢山持ってきてくださいました。
漢方薬を取り扱っている薬局の多くが生薬を加工したエキス剤を採用していて、薬剤師でもなかなか元の生薬サンプル(しかも刻む前)を目にする機会は多くありません。
恥ずかしながら思わず写真を撮ってしまいました(^_^;)
生薬のサンプルで大ハシャギしていたのは私だけですが・・・

ところで勉強会ですが、新しく発売されるようなお薬の勉強会に参加すると当然のことながら新しい知識を得てきます。
漢方薬の勉強会はどうかと言うと、新しい漢方薬(新処方)が出るわけではありませんので、そのような新鮮味は正直ありません。
ところが、漢方薬はいろいろなところでトライアルされていて、今までに使われていなかったような病態で服用されていたり、スタンダードな使われ方の応用編があったりで、何度も勉強会に出席しているのに何かしら新しく得るものがあるのが面白いところです。
いろいろなところでトライアルされるのは、漢方薬の特徴である安全性と言う事があるのかもしれませんね。
何度も投稿していますが、漢方薬もお薬です。確かに重篤な副作用の発現率は低いかもしれませんが、副作用は「0」ではありません。
服用する時には、必ず医師・薬剤師にご相談ください
(K)

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血液検査が自宅で?

血液検査と言うと、病院に行って看護師さんに採血してもらい、数日後に検査結果を聞きに行く・・・と言うのが常識のような気がしていましたが、もしかすると自宅で血液検査ができるようになるかもしれません。

愛知県の共同研究開発プロジェクトで、オリジナルの半導体イメージセンサーを用いることで、少量(1滴?)の血液から複数の病気の検査を同時に行う事が可能なようです。
生活習慣病や糖尿病などだけでなくアルツハイマーの検査もできるようで、アルツハイマーのように進行があまり早くないような病気は早期に発見できる事で結果的に医療費の抑制にもなると期待されています。

2015年度末をめどに検査キッドの実用化を図りたいとの事のようです。
http://news.mynavi.jp/news/2014/01/22/383/

血液検査が自宅出来たらとても楽になりますよね。
期待しましょう!
(K)

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来春の就職活動が盛んになってきました。

来年4月卒業予定の学生さんの就職活動が活発になってきましたね(^^)
弊社でも毎週のように店舗見学などが開催されており、フレッシュな学生さん達が見学に訪れています。
弊社の店舗見学会のスケジュールは、「めでぃしーんねっと」に公開されておりますので、ご希望の方はホームページまたは下記URLよりエントリーをしてください。
http://www.jb-medi.net/2015/tmpl/co.php?ci=060398&w=UW529bcf0bb59f00635

ところで、薬剤師業界の就職に関して考えてみれば、今のところ学生さんの売り手市場と言うのがここ数年続いています。
そして、調剤薬局の業界では、相変わらず短い就業期間で転職されるケースが多く見られるようです。

今は全体的に調剤薬局の薬剤師は不足気味と言われているので、転職もそれほど難しい事では無いのかもしれませんが、いつまでもそのような状況が続くとは思えませんし、転職をするのであれば、何かの目的をもって行わなければ意味がありません。
マイナス思考の転職はお勧めいたしません。

これから調剤薬局への就職を希望する学生さん!
まだ実務実習中の学生さんも少なくないと思います。
慌てる必要はありませんので、様々な企業(薬局)を見学・質問をして、将来の自分のビジョンに合った仕事場を探してみましょう。
自分の将来の事ですから、遠慮なんか必要ありません。疑問点はズバズバ質問してしまいましょう!

学生の皆さんが、よい就職先に出会えますように・・・
(K)

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歯医者さんにもポイント?

今年初めての投稿は、大手調剤薬局で話題になっているポイント付与が歯医者さんでも行われているようです。

http://www.huffingtonpost.jp/2014/01/06/dental-point_n_4551663.html

薬局でのポイントの場合には、そのポイントで店舗やそのグループ店舗などでお買い物ができるというパターンが多いようですが、歯医者さんのポイントは、ちょっと違うみたいですが、結果的には、本来全国で統一であるはずの健康保険を使った医療の価格に差が出てしまいかねません。
今のところ400/69,000のようですが、この先どのような展開になるのか注視していたいと思います。

ところで、なぜ健康保険で行う医療の価格に差が出るのが問題になるのでしょう?

日本では、健康保険を使って受診する場合、法律で全国どこで受診しても同じ治療についての診療費(一部負担金)は同じにしなくてはいけません。
もしこれがA医療機関では1,000円、B医療機関では500円だったらどうなるでしょう?
当然患者さんは安い方へ安い方(B医療機関)へと流れ、実際の医療技術やケアの丁寧さとは関係のないところで受診=消費が起こります。
安心・安全をもっとも大切にしなければならない医療現場に、そのような経済原理で混乱を招かないことが、診療費(一部負担金)の減額を認めない法律の趣旨なのだろうと思います。
また、国民から様々な公正なルールによって集められた保険料によって成り立っている健康保険の中で、同じ診療をするのに費用が違っていたら不公平ですよね?
ちなみに、健康保険以外で行われる治療(いわゆる自費診療)については、健康保険を使っていませんのでこのようなルールが当てはまりません。
(K)

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