鳥インフルエンザとその薬

日本では、季節性のインフルエンザがようやく一段落してきたと思ったら、中国から鳥インフルエンザの情報が入ってきました。
現在のところ、「人⇔人」の感染は見られていないようですが、変異しやすいと言われているウイルスなので、これからの動向が心配です。
そのような中で、世界保健機構(WHO)は、今回の鳥インフルエンザ(H7N9型)の治療薬として、タミフルとリレンザが有効とみられる暫定結果が出たと発表しました。

まだまだ結果は暫定です。油断は全然出来ません。
うがいと手洗いはやはり基本になりますので、習慣にしておきたいですね。
(K)

便秘と漢方薬

FBで下剤の選び方を投稿しましたが、「下剤でダイエット出来るの?」と言うような質問を受けました。
そもそも下剤は、ダイエットをする為の薬ではありません。
なので、下剤でダイエットは出来ません。
せいぜい下剤により宿便(腸に溜まってしまった便)が排出されて、痩せたように感じる程度のことではないでしょうか。
下剤を過剰に服用し過ぎて、腸の粘膜に炎症を起こしてしまいうような事もありますので、過剰な服用はしないようにしましょう。

ところで、便秘の薬として、漢方薬が使われる事も多いのですが、その使い方も症状や体質などによって使い分けが必要です。

その種類も多く、例えば・・・

・痔があって便秘などで悪化するような症状  乙字湯(おつじとう)
・お年を召した方のコロコロしたような乾燥便  麻子仁丸(ましにんがん)、潤腸湯(じゅんちょうとう)
・腹痛やしぶり腹のような症状があり、便秘と下痢を繰り返すような症状  桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)
・比較的体力があり、腹部に張りがあり、頭痛や肩こりを伴う症状  大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
・肥満気味でむくみなどを伴う症状  防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
・腹痛や膨満感を伴う症状  調胃承気湯(ちょういじょうきとう)
・常習になってしまっているような症状  大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)
・のぼせ気味で不眠やイライラ感を伴う症状  三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)

こんな感じです。これらもまだまだ一例にすぎません。
沢山あって・・・と思うかもしれませんが、いろいろな選択肢があると言う事は、キチンと選べれば効果の良い薬を選択できるという事ですよね^^)
(K)

今年もこの季節がやってきました!

今月初旬(2日、3日)に、薬剤師の国家試験が行われました。
医師の国家試験は既に発表があり、7,696人の合格者だったようです。
薬剤師の国家試験発表は、今月の29日なので、来週の今頃には・・・ちなみに昨年の合格者は8.641人だったそうです。
自分が試験を受けるわけではありませんが、なんとなく落ち着かないのは私だけでしょうか^^;)

ここで意外と知らない薬剤師の有名人!
・有名なところでケツメイシのメンバーの中に2人ほど。ちなみにケツメイシは「決明子」という生薬から名をとったらしい・・・
・お天気キャスターから女優業までこなす久保恵子
・渋いところで、小説家の横溝正史
・「なるほど」と思わせるアガサクリスティー

アガサクリスティーの推理小説には、いろいろな薬品が出てくるなぁと思ったら・・・そういう事だったようです^^)
(K)

疑義照会

FBで「疑義照会」について掲載しました。
この「疑義照会」は、お薬の飲み合わせだけでなく、処方箋上の不備や、患者さんの疾患と、薬の効果や副作用の関係など、処方箋上で考えられる様々な事の確認作業になります。

例えば

①アダラートCR 1T 1×朝食後 28日分

と言う記載が処方箋上にあったとします。

この場合、アダラートCRの規格が記載漏れです。このアダラートCRには10mg~40mgの規格がありますが、どの規格のアダラートCRをお渡ししたら良いか分かりません。
②前立腺肥大で受診中の方が、風邪でいつもと違う医療機関を受診しました。

ツムラ麻黄湯 7.5g 3×毎食前 3日分

と言う漢方薬が処方されたとします。

麻黄湯には、エフェドリンという成分が含まれており、前立腺肥大等による排尿困難の症状が悪化してしまう事があります。
前立腺肥大の治療状況によって、服用できるかどうかが変わってきます。

こんな具合で、例を挙げ始めるとキリが無いのですが、処方箋から読み取れる疑問点は全てチェックして、必要があれば「疑義照会」となります。
数回前のブログ「調剤薬局で働く薬剤師の泣きどころ」のところで、処方箋には病名の記載がない・・・という掲載をした事があります。
この時は保険上の話でしたが、このような疑義照会をする上でも病名が分かると、薬局でもより正確な判断をすることが出来ると思います。
お薬を安全に服用していただくためにも、カルテクラウド化が早く実現すると良いですね(K)

掌蹠膿疱症と漢方薬

FBで掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)の治療に使う漢方薬の話をしましたが、実は根本的な原因が分かっていない事もあって、様々な漢方薬が治療薬として服用されています。
掌蹠膿疱症とは、手足の掌(ひら)に無菌性の膿疱(水疱)が多数認められる疾患です。膿疱は無菌のため、細菌などは存在しませんので感染するような事もありません。
膿疱があるだけなら痛みを伴わない事もありますが、膿疱が破れたりすると痛みを伴う事があり、足の掌に出来た場合などは歩行にも支障をきたす事があります。
また、 この疾患の約10%に掌蹠膿疱症性骨関節炎という症状があり、関節や骨に炎症を認め痛みを伴う事が多く、日常生活に影響が出る事もあります。
なぜか女性に多くみられ、抗生剤やステロイド軟膏の治療ではなかなか完治せず、治療に時間がかかる事が多い疾患です。

そのような中、治療の為に服用される漢方薬としてFBでは「小柴胡湯加桔梗石膏」をご紹介しましたが、これ以外にも皮膚疾患で良く服用される「十味敗毒湯」(じゅうみはいどくとう)や「黄連解毒湯」(おうれんげどくとう)、ほてりなどで服用される「白虎加人参湯」(びゃっこかにんじんとう)などがあります。
漢方薬の治療と合わせて、肉類、脂質、乳製品は摂り過ぎないように注意する事と、過度のアルコール摂取や喫煙には注意が必要です。
(K)

p10106551-150x150⇐この「黄連解毒湯」は、昨年末に二日酔いでも紹介させていただきました・・・

救急たらい回し

久喜市で1月6日(日)に呼吸困難を訴えた患者さんが25病院、36回の救急搬送を断られて、お亡くなりになったニュースが取り沙汰されました。
久喜市は市内の病院に救急患者の受け入れに努めてもらうよう要請したそうです。
また、同様の発言をしていたテレビのコメンテーターもいましたが、あまりに無責任な発言と感じたのは私だけでしょうか?
久喜市のように、医療機関に受け入れを要請すれば事が解決するのでしょうか?

救急医が受け入れの努力を怠っていたのならまだしも、受け入れたくても受け入れられない劣悪な環境にもっとフォーカスを当てて欲しいですし、国民も知って欲しいと思います。
医師はスーパーマンではありません。不眠不休で365日働く事ができる人間はいないのです。
医師を非難する目線ではなく、こうした悲しい現実を起こさない為の環境をどう作るのか?
そこを議論して欲しいですし、そのためにも多くの国民が救急現場の環境を知ること、その環境を広く知ってもらう努力が医療機関側にも求められるのではないでしょうか・・(by I)

ワクチンの定期接種化?

3月1日に子宮頸がん・インフルエンザ菌b型(ヒブ)・小児用肺炎球菌の3つのワクチン接種を、原則無料になる「定期接種」の対象として追加する予防接種法改正案が衆議院に提出されました。
現況では、各自治体によって対応が違っていたものが、この改正法が成立すれば全国的に無料化になることになります。
この中でなんとなく分かりにくいのは、インフルエンザ菌b型(ヒブ)ワクチンですよね。
まず大前提として、インフルエンザウイルスとインフルエンザ菌は別物です。

19世紀にインフルエンザが大流行した時に、患者さんから原因菌として分離された細菌がインフルエンザ菌です。
その後の様々な研究で、インフルエンザの本当の病原体は、当時分離されたインフルエンザ菌ではなく、別のインフルエンザウイルスが原因である事が分かりましたが、インフルエンザの原因と間違えられた経緯があってこの名前がそのままついているようです。
このインフルエンザ菌は、a~fまでの6つの型と成人に多い型の計7つのタイプに分類されますが、その中で特にb型は、就学前の小児にカゼ様の呼吸器疾患だけでなく、ひどくなると髄膜炎や肺炎などの重症感染症の原因になる事で知られています。
早く法案が成立して無料化されると良いですね。(K)

痛散湯と麻杏薏甘湯

今週のFBに「痛散湯」の記事を掲載しました。
なのに写真は「麻杏薏甘湯」(まきょうよっかんとう)でした。

これは間違ったのか?と思われた方も多かったのではないでしょうか(^^)
実は、どちらも構成生薬が同じ生薬で構成されている漢方薬なんです。
一般薬としては、再春館製薬さんが「痛散湯」という名称で販売していますが、医療用医薬品(処方せんでもらう薬)としては、ツムラさんが「麻杏薏甘湯」という名称で出しています。
難しいと言うか、ややこしい話ですよね(^^;
ちなみに、医療用医薬品は医療機関の受診が必要ですが、健康保険が使えますので一般薬よりは安価なことが多いです。
(K)

薬学生の就職活動(薬局編)

先日、薬科大学を2014年卒業予定の学生を対象にした就職フォーラムに参加致しました。
現在、薬科大学の学生の就職事情は、考えられないくらいの学生さんの売り手市場です。
特に調剤薬局に関しては、過去に例を見ないほど…と言っても過言ではないと思います。

そんな中、調剤薬局の平均勤続年数は約3年と言われています。
普通では考えられないくらいの短さです。

原因の一つに、売り手市場ならではの就職の安易さによる、就職後の現実とのギャップが挙げられるのではないでしょうか。
ここ数年、新卒の採用担当をしていて、目先の条件だけで就職を決めてしまう学生が少なくないように感じます。
薬局や病院、製薬メーカーだけでなく、せっかくいろいろな選択肢がある薬科大学を卒業するのですから、もっと貪欲に就職活動をして、自分にとってのベストチョイスをしてほしいと思います。
頑張れ!薬科大生!
(K)

調剤薬局で働く薬剤師の泣きどころ

今週のFBでピロリの除菌の保険適用病名が増えそうだという投稿をしました。
この保険適用の病名というのは、調剤薬局で勤めている薬剤師の泣きどころでもあります。
どういう事かと言いますと、例えば、病院で「胃潰瘍」の病名がついてピロリの除菌をすることになりました。
処方箋には当然保険適応で除菌の薬が記載されてきます。

これが「胃炎」の病名でピロリを除菌する場合、現行では処方箋は「自費」の処方箋にならないといけないのですが、何かの拍子に間違えて保険適応の処方箋で薬局に来てしまった場合(保険での扱いが多いので時々ある間違いです)、薬局で自費か保険適応かの区別はできません。
そのまま保険で処理してしまうと、何ヶ月かあとになって、保険者(負担金以外の医療費を請求した先)から「間違ってますよ」と返戻が来ます。
どうして、自費か保険適応かの区別が出来ないかというと、処方箋には「病名」が書いてないからです。
同じ薬でも、病名によって保険の適応になる場合とならない場合がある例です。
これが実は結構大変で、先発品とジェネリックで適応症が違ったりするケースでもチェックすることが出来ません。

例えば、A薬という先発品には、〇〇と☓☓と△△という病名で保険適応があります。
そのジェネリックのA´薬には、〇〇と☓☓しか保険適応がない。というようなケースがあります。
こんな場合、△△の病名でA薬が処方されていた場合、薬局でジェネリックのA´薬に変更してしまったら保険の適応では無くなってしまいます。
いずれカルテがクラウド化されれば、このような事は無くなるはずなのですが、個人情報の取り扱いやセキュリティーの問題など、クラウド化にはまだまだ壁がありあそうです。(K)

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