夏のお薬の保管場所
暑い日が続きますね。
このように暑い日が続いている時、ご自宅にあるお薬はどこに保管していますか?
「暑いから冷蔵庫」という方も少なくないのではないでしょうか?
確かに冷蔵庫の中は温度が低いばかりでなく、光も当たらず空気も乾燥しているので、薬の保管場所には良いと思いますが、それが全ての薬剤について良いとは限らないんです。
例えば、お子さんの水剤や坐薬などは、高温で変質しやすいので、冷蔵庫に保管するとよいでしょう。ただし、凍らせると変質し効果がなくなるものもありますので冷凍庫はNGです。
粉薬や錠剤、カプセル剤などはどうでしょう?
暑いからと言って冷蔵庫に保管されている方もいるのではないでしょうか?実は、冷蔵庫から薬を出し入れしていると、結露してしまう事でかえって湿気をおびてしまい、お薬の効果が薄れてしまうようなことがあります。
なので、特に指示がない限り、お薬は室温(1〜30℃)で高温多湿を避け、日光の当たらない室内の涼しい暗所保存というのが基本になります。
また、冷蔵庫の中には、多くの食品が入っていると思います。お薬は他の食品と区別して、誰にでも分かるようにしておくことがとても大切です。

そして、夏は車内での保管に特に注意が必要です。人が乗っている時はエアコンも使っていますので涼しい環境かもしれませんが、駐車時は短時間で60度に迫る状態にもなると言われています。
お薬の保管方法などで迷ったら、是非お近くの薬局・薬剤師にご相談くださいね(K)
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パップ剤とテープ剤はどっちが良いの?
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でも投稿がありました、鎮痛剤の貼り薬ですが、大きく分けてパップ剤とテープ剤に分けられます。
パップ剤は、貼る部分が白くなっている昔からある貼り薬で、テープ剤は肌色の貼り薬で貼り付きが良いタイプです。
時々、「どっちが良いの?」と聞かれることがありますが、その効果に関してはあまり差はありません。
差が出るとすると、フェイスブックでも投稿した「光線過敏症」や「かぶれ」などの副作用かと思います。
特にこの季節は、蒸れたりするので、光線過敏症だけでなく、かぶれによる痒みなども気になりますよね。テープ剤は、剥がれにくい分パップより密着するので、はがすときに皮膚の角質まではがしてしまう事があるため、パップ剤よりかぶれやすくなってしまうようです。対策としては、剥がすときなるべくゆっくりはがすように心がけるだけで大分違うようです。
しいて使い分けるとすれば、打撲や捻挫などをした直後の痛み(急性の炎症や痛み)にはパップ剤。急性期の症状が落ち着いても痛みが残っているような慢性の炎症・疼痛にはテープ剤が向ていると言われています。
パップ剤は水溶性の高分子(水含有量:40~60%)なので、水分が気化することによる冷却効果があります。あの「冷や」とした感じです。皮膚の表面温度を約32℃→約28℃まで下げると言われているようです。
それぞれの特徴で上手に使い分けしたいですね。
困ったら薬局で聞いてみましょう(K)

カフェイン中毒に気を付けましょう
カフェインを多く含んだ眠気防止の薬や清涼飲料によるカフェイン中毒で、2011年度からの5年間に少なくとも101人が病院に運ばれ、うち3人は死亡していたことが、日本中毒学会の実態調査でわかりました。
カフェインには興奮作用があるとされ、短時間に大量摂取すると吐き気、心拍数の増加、興奮などの中毒症状が現れることがあります。
症状の有無には個人差が大きいのですが、成人では約1g以上摂取すると症状が出る可能性があると指摘されているようです。
では、何にどのくらいカフェインが含まれているかというと日本食品標準成分表によると・・・
コーヒー 100ml当たり約0.06g
煎茶 100ml当たり約0.02g
今流行りの眠気覚ましのドリンクやエナジードリンクと言われている飲料には・・・
強強打破 50ml当たり約0.15g(100ml換算で約0.30g)
メガシャキ 100ml当たり約0.10g
モンスターエナジー 355ml当たり約0.14g(100ml換算で約0.04g)
レッドブル 185ml当たり約0.08g(100ml換算で約0.04g)
また、市販されている眠気防止薬には・・・
トメルミン錠 1錠当たり約0.17g
エスタロンモカ錠 1錠当たり約0.10g となります。
カフェイン中毒と分かった患者さんは2011年度10人、2012年度5人だったのが、2013年度は24人に急増し、2015年度には37人になっています。眠気防止薬をコーヒーやエナジードリンクで飲んだようなケースもあるようです。
それぞれの製品には、服用方法や1日に飲む量の目安などが記載されているものが多くなっています。
また、ご自身の身体の状態によって、カフェイン中毒の症状が出るカフェインの量は変わってくる可能性があります。
十分に気を付けながら上手に使いましょう(K)

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野アザミとアルツハイマー病
野草のアザミの成分の中の「タキシフォリン」という天然のフラボノイドに、アミロイドβ同士が結びつくのを防ぐ作用があることが分かり、アルツハイマー型認知症の症状を改善させる効果があるのではないかと、国立循環器病研究センターの脳神経外科チームが、英国の神経疾患専門誌に発表しました。
アルツハイマー型認知症患者の多くは、異常たんぱく質の「アミロイドβ(Aβ)」が脳内の血管周辺で結びつき、塊となって蓄積することで、認知機能や血流が低下すると言われています。
実験で、アルツハイマー病のマウスに、この物質を混ぜた餌を食べさせたところ、何もしないマウスに比べ、塊となったAβの量が、約1/4に減少したという結果が出たようです。記憶力を調べるテストでも通常のマウスと同等の成績を保ったとの事。
次の段階は、人への応用ですが、2017年度中に治験を始め、2025年ごろをめどに臨床応用を目指すそうです。
新しい画期的な薬の開発につながると良いですよね(K)

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サプリメントとドーピング
世界反ドーピング機関(WADA)の禁止リストに抵触しない商品を認定している日本アンチ・ドーピング機構(JADA)が、2017年度から認定基準を厳しくする事が分かりました。JADAは原材料の管理など製造過程の認証検定などを事業者に求める方向です。
2017年度からのJADA認定では、これまで承認時だけだった商品の検査を1商品ごとに年2回実施するほか、原料の全量管理など製造過程の監査をする事になりました。
認定に必要な費用は、協賛金(年間600万円)に代えて導入される認証マーク使用料が年間1,000万円必要になります。商品の定期検査が1商品ごとに1回35万円。第三者認証機関による製造過程の認証は約230万円で、施設が不足している場合は設備投資が必要となる事もあるようです。
2017年度は4社がJADA認定を取得する見込みで、味の素(東京)は「必要な進化」と評価して対応するようです。
ただ一部には、必要経費が増えるため、JADA認定から海外の認証プログラムに切り替える動きも出ているようです。2016年6月までJADA認証を受けていたドーム(東京)は、英LGC社の認証プログラムに切り替えるようです。原料リストの提出や商品の抜き打ち検査でWADA禁止リストに抵触していないかを調べる仕組みで、ドームの担当者は「国際的に認知された認証プログラムで、費用はJADA認証の3分の1で済む」との事です。
記憶に新しいのは、J1広島のDF千葉和彦(31)が昨年、ビタミン剤(サプリメント)に混入した禁止物質でドーピング違反になっています。2020年の東京オリンピックに向けてドーピングに関する話題が増えてきていますね。
薬剤師の中には、スポーツファーマシストというJADAから認定された薬剤師もいますので、上手に活用して欲しいです。
スポーツファーマシストHP
http://www.playtruejapan.org/sportspharmacist/

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