のど飴とドーピング

先日、「教えて!薬剤師さん」で投稿させていただいた「南天」(なんてん)

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ですが、それに含まれている「ヒゲナミン」という成分が、今年1月の世界反ドーピング機関(WADA)の禁止薬物リストにに加わりました。

ヒゲナミンには、β2刺激作用があり、喘息などの治療などで気管支拡張剤として使われることがあります。
このβ2刺激作用というのは、気管支拡張作用以外にもいろいろな作用があり、その中に交感神経の興奮や大量摂取による蛋白質同化作用に伴う筋力増強の効果があります。
大量に摂取することで、普段より活力や筋力を発揮できるようになってしまう可能性があるという事で、今回WADAの禁止薬物リストに加わりました。
なので、南天を含んでいる常盤薬品工業さんの「南天のど飴」は、ドーピングの関係するスポーツ選手は使うことが出来ません。
これ以外にも、「浅田飴」には麻黄エキス(エフェドリン)が含まれていますので、こちらもドーピング違反になってしまいます。

のど飴が全部ダメなわけではなく、龍角散の「のどすっきり飴」には、ドーピングに係わる成分が含まれていないようです。
また、ヒグナミンは南天だけでなく、「呉茱萸」(ごしゅゆ)・「附子」(ぶし)・「細辛」(さいしん)・「丁子」(ちょうじ)などの生薬にも含まれていますので、それらを含んでいる漢方薬や栄養補助食品などもドーピング違反になってしまいます。

東京オリンピックを控え、このような話題が注目される機会も多くなっていると思います。
昨今、これらの情報は非常に多岐にわたることが少なくありませんので、即答は難しいケースもあるかと思いますが、気になる方は是非薬剤師にご相談ください。
薬剤師の中には、スポーツファーマシストという資格を持っている薬剤師がおり、これらの情報や知識をもとに正しい薬の使い方などを普及・啓発するような活動をしています。
http://playtruejapan.org/sportspharmacist/about/index.html
こちらで検索していただくのも良いかもしれません(K)

フェイスブックページ「教えて!薬剤師さん」
https://www.facebook.com/yakkyoku/

日々勉強・・・

先日、薬局で「高齢者の漢方薬」と言うタイトルで勉強会を開催しました。
ツムラさんにご協力いただいたのですが、なんとその勉強会に生薬のサンプルを沢山持ってきてくださいました。
漢方薬を取り扱っている薬局の多くが生薬を加工したエキス剤を採用していて、薬剤師でもなかなか元の生薬サンプル(しかも刻む前)を目にする機会は多くありません。
恥ずかしながら思わず写真を撮ってしまいました(^_^;)
生薬のサンプルで大ハシャギしていたのは私だけですが・・・

ところで勉強会ですが、新しく発売されるようなお薬の勉強会に参加すると当然のことながら新しい知識を得てきます。
漢方薬の勉強会はどうかと言うと、新しい漢方薬(新処方)が出るわけではありませんので、そのような新鮮味は正直ありません。
ところが、漢方薬はいろいろなところでトライアルされていて、今までに使われていなかったような病態で服用されていたり、スタンダードな使われ方の応用編があったりで、何度も勉強会に出席しているのに何かしら新しく得るものがあるのが面白いところです。
いろいろなところでトライアルされるのは、漢方薬の特徴である安全性と言う事があるのかもしれませんね。
何度も投稿していますが、漢方薬もお薬です。確かに重篤な副作用の発現率は低いかもしれませんが、副作用は「0」ではありません。
服用する時には、必ず医師・薬剤師にご相談ください
(K)

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知らなくて苦しかったこと(>_<)

昔々、まだ学生だったころ、「過敏性腸症候群」(IBS)なんて言葉も知らなかったころ、朝の通学電車で、一度お腹の痛い苦しい思いをすると、暫くは何故か同じ様な苦しい思いをしていました。
特に試験前とか…
なんとなく恥ずかしくて、親にも言えずに一人で悩んでいたことを思い出します。
IBSという病名がつくほどではなかったと思いますが、緊張やストレスで少し過敏になっていたのでしょう。
片道約二時間かけて通学していたんですが、主な駅のトイレの位置は大体把握していたような記憶があります(^^;

今なら、「漢方薬でも飲んでみよう」と素直に病院や薬局に行きますが、当時はそんなことを思いもしませんでした。
「知らない」ことで、随分と苦しい思いをしたものです。
「教えて!薬剤師さん」では、日々いろいろな「お知らせ」をしております。
少しでも皆様のお役に立てればなぁ…
(K)

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東洋医学会総会

来てしまいました鹿児島まで。
「第64回日本東洋医学会学術総会」でお勉強するために、鹿児島まで来てしまいました!
今日から2日間ほどですが漢方漬けになります^^)
(K)

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便秘と漢方薬

FBで下剤の選び方を投稿しましたが、「下剤でダイエット出来るの?」と言うような質問を受けました。
そもそも下剤は、ダイエットをする為の薬ではありません。
なので、下剤でダイエットは出来ません。
せいぜい下剤により宿便(腸に溜まってしまった便)が排出されて、痩せたように感じる程度のことではないでしょうか。
下剤を過剰に服用し過ぎて、腸の粘膜に炎症を起こしてしまいうような事もありますので、過剰な服用はしないようにしましょう。

ところで、便秘の薬として、漢方薬が使われる事も多いのですが、その使い方も症状や体質などによって使い分けが必要です。

その種類も多く、例えば・・・

・痔があって便秘などで悪化するような症状  乙字湯(おつじとう)
・お年を召した方のコロコロしたような乾燥便  麻子仁丸(ましにんがん)、潤腸湯(じゅんちょうとう)
・腹痛やしぶり腹のような症状があり、便秘と下痢を繰り返すような症状  桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)
・比較的体力があり、腹部に張りがあり、頭痛や肩こりを伴う症状  大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
・肥満気味でむくみなどを伴う症状  防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
・腹痛や膨満感を伴う症状  調胃承気湯(ちょういじょうきとう)
・常習になってしまっているような症状  大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)
・のぼせ気味で不眠やイライラ感を伴う症状  三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)

こんな感じです。これらもまだまだ一例にすぎません。
沢山あって・・・と思うかもしれませんが、いろいろな選択肢があると言う事は、キチンと選べれば効果の良い薬を選択できるという事ですよね^^)
(K)

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