サプリメントにも意外な副作用が時々・・・
先週(11/11)、フェイスブックではトクホについて投稿いたしました。
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ブログではサプリのお話しを少し・・・疲労回復やダイエットなどで、最近話題になっているサプリメントにα-リポ酸がありますよね。
このα-リポ酸は、私たちの体の中にある細胞のひとつであるミトコンドリアというところにあり、人間がエネルギーを作るときに必要な「補酵素」と言われる物のひとつと言われています。もともと身体の中に存在する成分であり、身体がしっかり働くために不可欠な栄養素のひとつです。
このα-リポ酸は、エネルギーが作られる「クエン酸サイクル」(TCAサイクル)の中で働き、食事から摂った糖質や疲労の原因物質である乳酸、体脂肪などを分解してエネルギーに変換させる作用があり、その結果ブドウ糖などの消費率をUPさせることから、ダイエットに良いとも言われています。
ところが、このサプリメントを服用していた方の中に「インスリン自己免疫症候群」と言われる症状が出てしまった症例があります。
症状としては、動悸・冷感・ふるえなどで、血糖値に関係する薬を服用していなくても低血糖状態のような症状を発症するのが特徴です。
それほど症例数が多い病気ではありませんし、誰にでも起こる訳ではなく、HLA型DR4という遺伝子を持っている人がチオール基(-SH基)を含む薬剤を服用すると、発症するリスクが高くなるとされています。日本人では6~8%ではないかとされているようです。
実は、α-リポ酸そのものは構造上にチオール基(-SH基)を持っていませんが、口から摂取した後、体内で一部還元されてチオール基を持つジヒドロリポ酸という物質に変化すると言われています。
過度に心配しすぎる必要はありませんが、血糖値のお薬を服用しているわけでもないのに、低血糖症状で万が一病院を受診する時などは、「○○というサプリメントをいつも飲んでいます」伝えておくと良いかもしれません。
(K)